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史跡犬山城跡(犬山城入口ゾーン)便益施設
inuyama

設計
斎藤信吾建築設計事務所
施主
愛知県犬山市
所在地
愛知県
用途
便益施設, 休憩所, トイレ
構造
S
規模
地上1
敷地面積
3420.65㎡
延べ面積
144.00㎡
状況
進行中
竣工
2028/01(予定)

史跡犬山城跡(犬山城入口ゾーン)便益施設基本設計業務プロポーザル 最優秀案

犬山の桟敷テラス ― 歴史と日常をつなぐ心地よい中継点

本計画は、犬山城の大手門跡に位置する「大手口」において、歴史と現代、観光と日常をつなぐ「心地よい中継点」となる便益施設の整備を目指すものです。かつてこの場所は建築を伴わない広場空間として、城と城下町を結ぶ公共的な場であったと考えられます。その歴史的背景を踏まえ、建築は過度に主張せず、広場性を継承する立体的な空間として計画しました。象徴的な屋根は設けず、屋上に設けた「桟敷テラス」を中心に、誰もが自然に立ち寄れる開放的な場を構成しています。

配置計画においては、本町通りや犬山城入口、周辺駐車場との関係性を読み取り、複数の動線が交差する結節点として、滞在・回遊・展望といった多様な利用を受け止める空間構成としています。また、史跡保護の観点から深い掘削を避け、遺構への影響を最小限に抑えるとともに、舗装やサイン計画により堀や門の位置を可視化し、歴史を体感的に理解できる外構を整備しています。

施設内部は、トイレと休憩機能を中心に、誰もが安心して利用できる快適な空間を目指しています。男女別トイレやバリアフリートイレに加え、授乳や着替えにも対応するユニバーサルスペースを設け、多様な利用者に配慮しています。休憩スペースからは広場や犬山城を望むことができ、展示や地図を通じて地域の歴史に触れることも可能です。さらに、子どもの遊び場を設けることで、地域住民の日常利用にも応える計画としています。

本計画の象徴である桟敷テラスは、日常的には休憩の場として機能し、犬山祭の際には山車を眺める観覧席として活用されます。城下町を一望できるこの場は、歴史的景観と現代の暮らしを重ね合わせる装置として、施設全体の核となる空間です。

構造は鉄骨造とし、合理的な架構計画によりコストとメンテナンス性に配慮しつつ、広場に対して開かれた軽やかな空間を実現しています。整備後は、地域の「顔」として来訪者を迎え入れるとともに、住民の日常にも溶け込む場として機能することが期待されます。

本施設は、史跡を単に保存するのではなく、「体感できる歴史」として次世代へ継承し、地域と人をつなぐ新たな公共空間のあり方を提示するものです。

#コンペティション・プロポーザル

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