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大井町駅前パブリックスペース

設計
あかるい建築計画
施主
東京品川区
所在地
東京都
用途
トイレ
構造
S
規模
地上1
敷地面積
427.32㎡
延べ面積
19.28㎡
状況
竣工
竣工
2020/09/01

大井町駅前パブリックスペース設計コンペティション 最優秀賞

2022/10/14 グッドデザイン賞2022受賞

本計画は、品川区および日本建築家協会(JIA)が主催した「大井町駅前パブリックスペース設計競技」における提案・実現プロジェクトの一つとして計画された公衆便所です。駅前という都市の玄関口において、公共空間の質を高めるとともに、これからの社会にふさわしい公衆トイレのあり方が問われる中で、本計画はその新たなモデルを提示することを目的としています。本施設は、2023年度グッドデザイン賞および環境設備デザイン賞を受賞し、その社会的意義とデザインの質が高く評価されています。

公衆トイレに対する暗い・汚いといったネガティブなイメージを払拭し、新しい「かた」をつくり出すことができないか。それが設計の出発点でした。そこで私たちは、「うつくしいまちの風景をつくること」「きれいに使いたくなるトイレをつくること」「これからの社会に適したトイレをつくること」という三つの視点から、この街にふさわしい、清潔で明るく、誰もが快適に利用できる公衆トイレを目指しました。

計画地である大井町駅周辺は、高層のホテルや駅ビルが建ち並ぶ一方で、中低層の飲食店や住宅が混在する場所であり、都市スケールと生活スケールが交差する境界に位置しています。この環境に応答するため、高さ方向には都市的なスケールを持ちつつ、水平方向には人の身体感覚に寄り添うスケールを持つ、6つの塔状ボリュームを分散配置しました。シンプルでモニュメンタルな形態をあえて人の目に触れやすい場所に配置することで、公衆トイレを街の片隅に追いやるのではなく、まちの風景の一部として位置付けています。

また、塔状の形態は煙突効果による自然換気を促し、トップライトから自然光を取り込むことで、内部は常に明るく清潔感のある環境を保ちます。設備に頼りすぎないパッシブな環境制御により、快適性と維持管理性の両立を図っています。

施工においては、線路至近という条件から夜間工事の制約や仮設足場の制限がありました。そのため、各棟を鉄骨工場でユニット化し、一晩に1棟ずつ建て方を行う施工方法を採用しています。構造は厚さ4.5mmの鋼板による箱型構造とし、リブ補強によって強度を確保しました。極めて薄い外壁は、時間や見る角度によって空や街の色をやわらかく反射し、鉄という素材でありながら軽やかな表情を生み出しています。

6つのボリュームはすべて個室トイレとして計画し、それぞれに着替え、おむつ交換、パウダールーム、オストメイト対応、車椅子対応など異なる機能を持たせました。従来の男女別という枠組みを見直し、性別や属性に関わらず、誰もが自分の目的に応じて選択できる構成としています。

人や暮らしの多様化が進むこれからの社会において、本計画は、公衆トイレの新しい「かた」を提示するとともに、公共空間のあり方そのものを問い直す試みです。街の風景と一体となり、自然に使われ、大切にされる存在としての公衆トイレを目指しました。

Good Design logo
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(あかるい建築計画:川嶋貫介+斎藤信吾+根本友樹)

#コンペティション・プロポーザル, #新建築, #GA, #DOMUS, #グッドデザイン賞

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