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建築家菊竹清訓氏とJ.P.クレイバン博士のハワイ海上都市構想
― ハワイ海上都市‘76とフローティングシティ アーカイブ展 ― 展示計画

設計
斎藤信吾建築設計事務所
所在地
東京都
用途
展覧会
状況
竣工
竣工
2023/08/29

本計画は、「建築家 菊竹清訓氏とJ.P.クレイバン博士のハワイ海上都市構想 ― ハワイ海上都市’76とフローティングシティ アーカイブ展 ―」の展示計画です。本展示は、「浮体活用の国際会議 WCFS’23 Japan(World Conference on Floating Solutions)」の開催にあわせ、日本大学理工学部1号館5階ラウンジにて2日間にわたり設置された特別展示として企画されました。WCFSは、浮体建築や海上都市に関する国際的な議論と技術交流を目的とした会議であり、本展示はその思想的背景を建築的に提示する試みです。

展示は、1970年代にハワイ大学で構想された「ハワイ海上都市計画’76」や、沖縄海洋博における「アクアポリス」に関する資料を中心に構成され、建築家としての構想と、浮体構造物としての技術的側面の両面から海上都市のビジョンを紹介しました。ウォーターフロントリアルエステート社、元菊竹清訓建築事務所の関係者と協働し、多数の図面や写真、資料を通して当時の思考と実践を読み解く展示となっています。

本計画において私たちは、「展示=思考の再構築」と捉えました。すなわち、単に資料を並べるのではなく、菊竹清訓の頭の中に広がっていた海上都市の構想そのものを、空間として立ち上げることを目指しました。展示空間の中心には、浮遊感のある透過性の膜を配置し、その中に図面や写真などのアーカイブ資料を重層的に配置しています。来場者は、その周囲を回遊しながら、断片的な資料を横断的に読み取り、思考の連なりを体験する構成としています。

この膜は上下に可動する構造とし、展示空間としての状態から、講演会やセミナーに対応するオープンな空間へと変化します。実際に国際会議2日目には、この空間を活用して小セミナーが開催され、元菊竹清訓建築事務所の原田鎮郎氏および菊竹スミス睦子氏による講演が行われました。特に菊竹スミス睦子氏はハワイから来日され、海上都市構想の背景や経緯について語られ、多くの来場者の関心を集めました。

本展示は無料公開とされたこともあり、国内外の研究者や実務者、学生など多様な来場者が訪れました。展示と講演が一体となることで、過去のプロジェクトを単なる歴史資料としてではなく、現代の浮体都市構想へと接続する思考の場として機能しました。

本計画は、建築展示を「見るもの」から「思考を体験する場」へと拡張し、菊竹清訓の構想を現代に再接続する空間的実践です。

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#展示計画, #菊竹清訓

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